充実した看護ライフのために

看護師の仕事を一言で表せば、「人を助ける仕事」。現代の看護の仕事には様々な分野がありますが、本来は病気や怪我で苦しんでいる人をケアし、回復を援助することが主な仕事です。ですから、看護師の仕事のやりがいとは、やはり「人から感謝されること」だと言えます。看護師を目指す人にも「困っている人を助けたい」という気持ちを持った人が多く、看護師は自分が関わる患者さんたちから「ありがとう」と言われるとてもやりがいのある業務です。

確かに、場合によっては患者さんを助けることができずに自分の無力感に落ち込んだり、苦しむ患者さんにうまく対応できず自己嫌悪に陥ることもあるとは思います。それでも、患者さんからこぼれる笑顔や「ありがとう」の言葉は何物にも換えがたいものではないかと思います。

しかし残念ながら、実際に看護師として働く方々からは「やりがいがない」「充実感がない」「仕事はきついばかり」などとネガティブな声を聞くことが多いのも事実です。現実の看護師の仕事は「3K」をはるかに越える「9K」などと揶揄されることもあるほど大変で離職率も高く、イメージ以上にハードな仕事です。病院は基本的に24時間体制で動いているので、常に忙しい状態です。人手が不足している病院も多く、仕事以外にも勉強会や委員会などもあり、看護師は超多忙な毎日を過ごしています。さらに同僚や医師、患者さんとの人間関係も複雑で、精神的にも疲弊している様子が伺えます。

そんな状態で勤務を続けていれば、体力的にも疲れ、精神的な余裕もなくなってしまうでしょう。日々の業務に忙殺される毎日では、仕事へのやりがいや充実感ということよりもひたすら目の前の仕事を片づけることが主眼になってしまって、人から感謝されているなどと感じる余裕もないほどになっているのではないでしょうか。

そういった現状に直面してすぐに看護師を辞めてしまう新人や、職場を転々とする「ジプシーナース」が問題になっています。要因の1つには、求人が溢れ看護師が転職しやすいこともあるのではないかと思っています。看護師の離職率は高く、多くの病院で離職を防ぐための体制を作ったり、短時間労働制度などを設けて対策を立てている状態です。そのように職場環境を整える事も大切ですが、離職を防ぐためには本人のモチベーションにも注目しなくてはいけません。仕事に対してやりがいや充実感を感じられない(感じられなくなった)人たちは自分の適性に合わない職場を選んでいたり、真面目に仕事をしすぎて精神的に力んでいる可能性があります。

仕事の充実感は必ずしも忙しさと反比例するものではありません。中には「楽して儲かるのならそれが私の充実感」と言う人もいるでしょうが、忙しくても仕事に面白味を見つけ、仕事が楽しい状態で人は充実感を感じます。ただ、そのためにはある程度の体力的・精神的な余裕が伴わなければいけません。日頃から体調管理をしっかり行うだけでなく、ストレスの蓄積を見てみぬふりをしていないかメンタルチェックも欠かさず行うことが大切です。自分の考え方を楽な方向へ切り換えたり、休日にうまく気分転換をすることでも精神的な余裕は生まれます。充実した看護師ライフを過ごすためには闇雲に頑張るだけではなく、そういった点に気をつけることも重要です。